忠犬ハツ恋
東野に着くと裏口に一色先生が待っていた。
「よぉ、若奥さん。
大輔の荷物引き受けるよ。あいつ今生徒に捕まっててさ。
今日の午前中に前理事長が急死してね、俺もこれから仮通夜。」
そう言う一色先生も喪服姿で、いつもと雰囲気の違う一色先生にドキリとした。
一色先生に大ちゃんの数珠と袱紗と靴の入った紙袋を渡す。
一色先生はそれを受け取るとタバコを一本吸い始めた。
お使いを終えても帰ろうとしない私に一色先生は首を傾げながら微笑む。
「どうした?何か質問?
美咲ちゃんなら特別講義受け付けるよ。」
一色先生は大ちゃんの高校・大学の同級生だ。
きっと私の知らない大ちゃんも知っている。
大ちゃんに聞けない事を一色先生に尋ねてみようと思った。
少しでも私の中に渦巻く不安を取り除きたかった。
一色先生ならきっと私の安心出来る答えをくれる……、何の根拠も無くそう思った。
「よぉ、若奥さん。
大輔の荷物引き受けるよ。あいつ今生徒に捕まっててさ。
今日の午前中に前理事長が急死してね、俺もこれから仮通夜。」
そう言う一色先生も喪服姿で、いつもと雰囲気の違う一色先生にドキリとした。
一色先生に大ちゃんの数珠と袱紗と靴の入った紙袋を渡す。
一色先生はそれを受け取るとタバコを一本吸い始めた。
お使いを終えても帰ろうとしない私に一色先生は首を傾げながら微笑む。
「どうした?何か質問?
美咲ちゃんなら特別講義受け付けるよ。」
一色先生は大ちゃんの高校・大学の同級生だ。
きっと私の知らない大ちゃんも知っている。
大ちゃんに聞けない事を一色先生に尋ねてみようと思った。
少しでも私の中に渦巻く不安を取り除きたかった。
一色先生ならきっと私の安心出来る答えをくれる……、何の根拠も無くそう思った。