忠犬ハツ恋
非行女子高生のキャラメルクロナッツ
家に帰る気分にもなれず、かと言ってシャロンに行くわけにもいかない。
今の私を檜山君が見れば"またフラれたのか?"と呆れるに決まっていた。
フラれたわけではない。
ただ見知らぬ女性の影に脅えていた。
27歳の魅力的な事務員に。
駅前の本屋の店頭で一冊の本を目にした。
"女を磨く10の方法"
無意識に手にしてレジへと向かう。
隣のドーナツ屋に入りキャラメルクロワッサンドーナツとアイスコーヒーのセットを頼んだ。
狭い店内の奥の席へ座り、携帯の電源を切るとさっき買った本を一気に読破した。
さして難しい本でもないから読み終わるまでに30分とかからなかった。
書いてある事はこれと言って特別な事では無く、
"毎日、朝起きたら鏡の前で笑顔のチェックをする"だとか、"自分のいい所をノートに100個書いてみる"だとか……。
これで私が佐々木さんに負けないくらい劇的に魅力的に変身するとも思えなくて
私はその本をその場にわざと忘れてドーナツ屋を後にした。
今の私を檜山君が見れば"またフラれたのか?"と呆れるに決まっていた。
フラれたわけではない。
ただ見知らぬ女性の影に脅えていた。
27歳の魅力的な事務員に。
駅前の本屋の店頭で一冊の本を目にした。
"女を磨く10の方法"
無意識に手にしてレジへと向かう。
隣のドーナツ屋に入りキャラメルクロワッサンドーナツとアイスコーヒーのセットを頼んだ。
狭い店内の奥の席へ座り、携帯の電源を切るとさっき買った本を一気に読破した。
さして難しい本でもないから読み終わるまでに30分とかからなかった。
書いてある事はこれと言って特別な事では無く、
"毎日、朝起きたら鏡の前で笑顔のチェックをする"だとか、"自分のいい所をノートに100個書いてみる"だとか……。
これで私が佐々木さんに負けないくらい劇的に魅力的に変身するとも思えなくて
私はその本をその場にわざと忘れてドーナツ屋を後にした。