忠犬ハツ恋
コメディー映画のはずなのに何故かちっとも面白く無くて、
数人いる観客の中、私一人クスリともせず座席に座っていた。

映画が終わる頃には内容が全く頭に入っていない事に気づく。

すっかり気分が落ち込んでいて重症な証拠だった。

今の時間を確認しようと携帯を見ると、電源を切ったままだったのを忘れていた。

電源を生かすと大ちゃんから数回着信があった事を知らせるメールが届いた。

きっと一色先生から私が何かに気づいている事を知らされたんだろう。
それとも数珠と靴が紙袋に入っているのを見て、私がベッドの下のK&Kの紙袋に気づいていると知ったのかもしれない。

どちらにせよとてもこちらから折り返して電話をかける勇気は無かった。
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