101回目の呪い
昼食を終わらせ暗い気持ちで僕が教室に帰ろうとするとちょうど黒木彩とはちあわせた。


僕は黒木彩と少しだけ話したくて、「僕、おんなじクラスの」と言ったところで彼女は僕の顔をチラっとみてそそくさと帰ってしまった。
















放課後。僕は教室で相変わらずいじめられてた。
クラスの中心である井上和樹（いのうえかずき）の命令によって2人の男子が僕を蹴ったり殴ったりしてくる。


朦朧とした意識の中、窓から差し込む夕日に照らされた机と、黒木彩が見えた。



黒木彩はこっちをちらりとも見ずに机に向かっていた。






さっきからずっといたのか？なんで何事もないようにそこに座っているんだ。



そんなことを思ってると、下校のチャイムがなった。

「じゃあな。明日も楽しみにしてろよ♪」


井上がそういうと、いじめていた男子は帰って行った。







窓から流れてくるそよ風に黒い髪が揺れる


黒木彩が、椅子からスッと立つ。

その様子をじっとみていると黒木彩がこっちへきてすっと手を差し伸べた。



「ありがとう。」

僕がそういうと、黒木彩は初めて笑顔をみせた。




その笑顔は、まるで天使だった。
口角はくいっと上がっていて、彼女の大きな目は細くなっていた。

冗談などではなく僕の前には天使がいるのかと錯覚した。
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