カプリチオ








「─────以上が国語総合現代文の授業の進め方になります。今日はあいにくと古典の先生がいらっしゃらないので、先程配った学習シラバスを参考に古典の授業進行を確認してください。それでは終わります。次からは教科書と大学ノートを2冊持参してください。ありがとうございました」

「ありがとうございましたー」



一通りのガイダンスを終えたところで、担任が教室に入ってきた。

「よし、お前ら体育館行け」

「急に?」と反応するクラスメイト。

その反応を見て、担任は、

「あれ?朝言ってなかったっけ?」

と惚けている。

その様子を見た露草は、言葉が出ないほどに呆れ返った。

この先生案外アホかもな、と。

「ま、許せ。わざわざ体育館行けって言いに来たんだから。な?な?」

「先生……」

生徒たちの残念そうな視線が担任に突き刺さる。

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