夢の結婚 ……
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由美子はふと後ろを振り返って一瞬何が
起こっているのかわからなかった。
真人が地面に倒れて空を見上げている。
その前には女が泣いている。
思考回路が止まっているのか、全く理解
出来ない。
ただ、由美子の身体は真人の元へ走って
いた。
こんなに遠かっただろうか…
ほんの数十mのはずなのに、もう辿り着けな
いのではないかと思う程その距離は遠く感
じた。
気付けばそこには眠っているような表情
の真人。
真人が倒れたそこは公園に似つかわしく
ない赤で染まっていた。
わからなかった。
目の前に泣き崩れた女と…
やっと再会した大切な真二…
帰って…
たくさん話して…
幸せに…
私の隣に真二が…
真二がまた…
帰ってくるはずだったのに………!
「…っ いゃーーーーっ!!」