夢の結婚 ……


---

由美子はふと後ろを振り返って一瞬何が

起こっているのかわからなかった。


真人が地面に倒れて空を見上げている。

その前には女が泣いている。


思考回路が止まっているのか、全く理解

出来ない。


ただ、由美子の身体は真人の元へ走って

いた。



こんなに遠かっただろうか…

ほんの数十mのはずなのに、もう辿り着けな

いのではないかと思う程その距離は遠く感

じた。




気付けばそこには眠っているような表情

の真人。


真人が倒れたそこは公園に似つかわしく

ない赤で染まっていた。




わからなかった。

目の前に泣き崩れた女と…


やっと再会した大切な真二…


帰って…

たくさん話して…

幸せに…


私の隣に真二が…

真二がまた…



帰ってくるはずだったのに………!






「…っ いゃーーーーっ!!」


< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop