不良王子のぽっちゃり姫

~流季side~

「この後どうする?カラオケでも行く?」

嵐がマイクを持って、歌うジェスチャーをしながら言った。

こいつ、空気読めよ…。

「俺、アゲハ連れて別行動。…行くぞ」

アゲハの手を取り歩き出した。

「おい、流季!!待てよ~」

うるせーな、俺の邪魔すんな!!

吠えてる嵐を無視して歩いていたら、

「ハァ…ハァ…」

あっ…

「ごめん…歩くの速かったよな。アイツ等と早く別れたくて…つい」

繋がれた手の先には、苦しそうに肩で息をするアゲハがいた。

「だ、大、大丈夫です。私こそ…ハァ、体力なくて、ごめんなさい」

「近くに公園あるし、休むか?」

嵐も追いかけてこないし、今度はアゲハの歩幅に合わせて歩き始めた。

横に並んで歩くと、コイツ意外に…ちっせぇー。
ちびって言ったらキレそう。

手も小せーし。
プニプニしてて、気持ち良いな。

「先輩歩くの遅すぎません?大丈夫ですか?」

「遅い方がいい。お前と居れる時間長くなるから平気」
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