不良王子のぽっちゃり姫
―――ポンポン。
繋いでいる手を放し、アゲハの頭に手を乗せた。
「なんか…こうゆうの初めてで。照れます…」
アゲハは『照れる』と言いながら、屈託のない笑顔を見せた。
コイツの笑顔を自分だけの物にしてぇな。
俺って、こんなに独占欲強かったか?
ってか、今はそんな事より…。
「アゲハ…照れるのもう少し我慢、公園過ぎた」
「あっ!!ごめんなさい」
―――フッ。
パニクってるアゲハに、つい顔が綻びる。
「あぁーっ、ブランコ懐かしい!!」
ブランコを見つけて走って行くアゲハの後を付いて行くと、
「ブランコ乗っても良いですか?」
「好きに乗れ」
「やったぁ」
無邪気なコイツも可愛いな。
楽しそうに乗ってる隣のブランコに腰掛けた。
―――ギーコギーコ。
「先輩から見て、私ってどうですか?」
そこには、さっきまで無邪気にはしゃいでいたアゲハではなく、少し悲しそうなアゲハがいた。