不良王子のぽっちゃり姫

ってな訳で、これから初の先輩のお宅訪問だよ!!
あぁ~緊張緊張どうしよ。

「アゲハ帰るぞ」

わぁー!!ここ教室なのにそれじゃ目立つよ。
目立つ呼び方止めてって言ったのに~。

「キャー月濱先輩だよ!!」

「いつ見てもカッコイイ~」

教室のあちらこちらで月濱先輩ファンが騒いでいる。

「先輩早く、早く帰りましょう」

私は月濱先輩を連れて足早に教室を後にする。

正門まで差し掛かると、

「アゲハから手繋いでくるとか積極的じゃん」

先輩から言われた一言に、手を離そうとすると、繋がれた先輩の手に力が加わった。

「俺が離さねーから」

―――ッボン

顔から湯気でそうだよ~。
こんな顔先輩に見られたら恥ずかしいから見られないように気を付けなきゃ。

「フッ、お前さっきからずっと俯いてるけど、顔真っ赤なのバレてるから」

「先輩がいけないんですよ…ドキドキさせるから…」

やっぱり先輩にはバレてたか…。
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