不良王子のぽっちゃり姫

そうだ、そう言えば先週駅前に、ケーキバイキングのお店がオープンしたんだよねぇ。
行きたいなぁ…。

雑誌のスイーツ特集を、食い入るように見ていたら。

「やっぱりANGELに食い付いてる…。ANGELのタダ券あるん…」

「行く!!行く行く!!今日ANGEL行こう!」

「本当に甘いもの好きだよね~。目キラキラ輝きすぎだよ」

思いもよらなかった香音の一言で、残りの授業もケーキの為に超頑張れちゃうよ。

頑張れアゲハ!!ファイトだアゲハ!!

「あっ、アゲハ私、嵐先輩と付き合う事になったから。
んで…放課後、嵐先輩と先輩の友達もくるから」

「は~い」

この時、私は寄り道で行くANGELのケーキの事で頭がいっぱいで、嵐先輩といつも一緒で、
今日来るであろう友達というのが月濱だとは全く気付いていなかった。

ましてや、これをきっかけに私と月濱先輩の恋が始まるなんて、これっぽっちも予想していなかった。
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