不良王子のぽっちゃり姫
「初めて会ってこんな話どうかと思うんですけど…俺両親居なくて姉貴が親代わりな感じで」
「そう…」
「アゲハにこの話した時、辛かったんですねって自分の事の様に泣いてて、その気持ちがスゲー嬉しくて。俺が守らないとって思いました。」
「…」
返事が無かったから由梨さんを見ると、
涙を拭っていた。
親子して涙脆いんだなと思ったけど、
俺の事なのに涙を流されると少し嬉しいけど、何とも言えない気持ちになる。
「ごめんなさいね…泣いたりするなんて私も年ね」
「由梨さんとアゲハ、親子だけあって似てますね」
「そりゃそうよー、私が産んだ大切な娘だもの」
「こんな事当たり前かもしれませんが、アゲハの事、凄い大事にします」
「流季君アゲハの事頼んだわよ?」
「はい。俺の全てを懸けてアゲハを幸せにします」
俺は由梨さんと、とても大切な約束をした。
ふと、結婚する時の娘さんを下さい的な時も、こんな風になるのかと思い、
胸の辺りがくすぐったくなった。