不良王子のぽっちゃり姫
イチゴムース~♪チョコレートケーキ~♪
ミルクレープ~♪っと。
あっ、ギリギリーアップルパイも乗せられそう♪
「お前、本当に甘い物好きなんだな。可愛い」
「か、かか、可愛いだなんて。そんな嘘いいですよ」
一生懸命ケーキを選んでて、隣に月濱先輩が居る事気付かなかったぁ~。
でも…可愛いだって♪
嘘でも可愛いって言われると、
やっぱり照れちゃうよー。
「アゲハには嘘つかねぇよ。今は信じられなくても、ゆっくり信じてくれればいいから」
……コクン。
私は嬉しさと恥ずかしさで、頷く事しか出来なかったのに、月濱先輩は満足そうにキラキラ眩しい笑顔でケーキを選んでいた。
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テーブルに戻ってケーキを食べていると、
「アゲハの作るスイーツも、お店の味に負けないくらいおいしいよね」
「アゲハちゃんお菓子作りとかするん?」
「お菓子作りは、たまにするくらいです。普通のお料理作る方が多いですよ」
うちは、お母さんと二人暮らし。
仕事で忙しいお母さんに替わって、私が食事を作ってる。
「流季も料理上手いよなー」
その一言に反応して、私は先輩に釘付けになった。