小さな勇気
月日がたち、私たちは受験を考える季節が近付いてきた。
「麻衣~どこ行くか決まった?」
「全然!てかこの頭で行けるとこがあるかすら分かんないし笑碧依は?私立だっけ?」
「滑り止めがね、てか麻衣は勉強しないから行けるとこ少ないんじゃないの~?」
「分かってるけどさー…てか今更だけどなかなかいい出会いないよねーうちの学校イケメンたくさんいるはずなんだけど」
でも実はこの時碧依と同じクラスの男子が気になってはいたがなかなか話せなくて…
とある日の放課後、私はいつものように碧依のいるクラスの廊下で待っていた。
追いかけっこしている男子がいる。あ、あの人走ってる!
「お待たせ~……ん?麻衣?どこみてんの?」
「お~いたんだ笑うーん、ちょっとね!」
「怪しいな笑」
「あのさ、あの人名前なんていうの?」
「あー、宮本のこと?」
宮本っていうんだ。
そう、私は名前すら知らない人に惹かれていた
「なんで?」
「うーん、なんとなく」
「ふーん!まぁいいや!帰ろー」


「ただいまー」
「おかえり、話があるからちょっときなさい」
珍しくお母さんに呼ばれて居間へ向かった
「あんた、高校どうすんの?まず行けるとこあるのかしら、勉強してないのに」
その一言にイラついた私は
「うるさいなーこれからやるし」
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