小さな勇気
ある日の放課後、私は普通に碧依と帰ろうと下駄箱へ向かっていく途中、誰かに声をかけられた。
「坂本ー」
この声はもしかして…振り返ってみたらやっぱり宮本だった。
「え、何?」
「話があるんだけど…」
「おう、何?」
「ここで話すのもあれだから教室行こう」
ドキドキが止まらなかった。何を話されるのかもそうだけど、2人っきりなったことがないからなおさらドキドキしていた。
「じゃあ友達に先に帰ってもらうね」
「なんかごめんね」


「よし行こうか」
「うん!」
「…」
「……」
教室に行くまで会話がなく長く感じた。
「あー人いるねー、廊下でいい?」
「うん」
「最近、学校はどう?」
「どうって別に?」
「いや、男子となんかあったんだろ?」
なんて優しいんだろう。益々好きになっちゃいそうだ。
「まぁね」
「名前は?」
「えーっと○○とか○○とかかなー…」
「分かった。俺から話してみるよ。」
「え!?あ、ありがとう。」
意外だった。聞いてくれるだけで嬉しかったのに…。優しさで言ってるだけかもしんないけど、とても嬉しかった。
「話、それだけだから。」
「そっか。ありがとうね」
「帰り遅くなってごめんね?」
「いやいや、全然平気だよ」
「帰り、送るよ」
「え!?」
まさかの言葉にびっくりしている。
「途中までなら送る」
「いやいやいや、遠いし大丈夫だよ」
本当は嬉しい。一緒に歩けるから。
「いや、友達帰っちゃったし送るよ」
「ありがとう」
こうして雨の中2人で帰ることになったが…
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