*甘いモノ*

「まあね、結局は夢のまた夢なんだけど........、は?」


答えが返ってきたので反射的に返して、驚いた。




なぜ答えが返ってくる!!?




「.......あの。」

「ん?なに。」





「何故ここにアンタがいんのよ!?」



思いっきり叫んでやったが、効果はあまり無かったようで。

そこには幸せでーす、みたいな笑顔を振り撒いているイライラの半原因、亜樹が立っていた。



「上の二階の窓から入ってきたの、開いてたでしょ?」

そういって親指で二階をさす亜樹、


「いや...開けてた.....けれど、さ。」



この状況にがくぜんと驚いている私。



「あの...アタシ、タオル一枚なんだけど。」

私が心配したのはコッチ。



それなりの年である男女がこんな状況でああいうことにもならないワケはないだろう。


しかし、亜樹は私の心配も気にせずに


「あ、別に俺気にしないから。」




そんなことを言ってのけた。




なんだって.......?

"俺"は気にしない?
バカにすんなよ、女子を甘くみるなよ。


もしタオルが落ちてこっちが素っ裸になったらどうすんのよ。

万が一にもアタシ女なんだよ?



男であるアンタと二人きりでそんなことになったら.......どーなるかわかんないでしょ。





「......アタシが気にすんのよバカ!!!!!!」

.....この声が二軒先の家まで届いたことは言うまでもない。
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