＊甘いモノ＊

＊D組の君＊

"D組の君"







それは昔っからの幼馴染みであるアイツにつけられた呼び名、




「.....コラ賀ヶ崎、授業中に外を隠しもせず直視するなんざお前くらいだぞ。....それとも..俺の授業ってそんなにつまらない？」

最後に目を潤ませて喋る先生に教室内の生徒達から笑いの声が上がる。





「........はぁ。」


そんなことにも目を向けずに私は深い溜め息をついた。




.....あ。そこのお嬢さん、待ってください。
私が主人公だからって幻滅はしないでください！


そう、私がこの物語の主人公

賀ヶ崎 梓-ｶｶﾞｻｷｱｽﾞｻ-である。




いやいや、学校がだるいとかそんなやる気無し系の女子ではないんです。

ただ今は一時限目なんです。

だから昨日一時までつい夜更かしをしてしまった私には
ちょいときつい時間帯なのです。





だからどうか私をまだまだ見捨てないでください。



....ってどこかの小説の女の子っぽく言ったものの

誰にも届かず、どこかおふざけな調子の言葉は脳内で消え去っていく。




それもそのハズ、だって...