*甘いモノ*
-----放課後-----
「きりーつ、れー、ありがとうございましたぁー」
「ありがとうございましたぁー」
キーンコーンカーンコーン...
さよならの挨拶が終わり、つまらなかった学校が終わりを告げる。
まるでその鐘の音はフラれた事を思い出させるように。
「あたし、そんなにフラれた事がショックだったんだ...」
今頃になってそんな事に気がついた。
こんな地味な私にも目を向けてくれた人だった。
こんな私でいいの?って聞いたときも
"俺は別に外見で判断しない"
そう言ってくれたんだ。
その時の私は、どんな皮肉を受けようと傷つくことはなかった。
だけど、その一言で、
私の世界は救われた様な気がしたんだ。