*甘いモノ*


「でも結局、あの人も綺麗な人が好きになったとか言ってたな...」


そんな彼でも男女の話となると、やっぱり顔を取った。


別れ話を告げられた時、彼は

"君以外に好きな人が出来たんだ、綺麗な人でね"



そう言って照れていた。


その時まではすごく優しい彼だと思っていたがさすがにあの言葉を聞いた時は最低だと思った。




別れ話の最中に別の女を思いながら笑う?

ふざけんな、こっちは真剣に恋愛してんだぞ。



そう言ってぶん殴りたかった。だけど何故か出来なかった。



結局好きだったんだろうな...彼のこと。
だから殴れなかった。




「.....あれ、なんでだろう。最後はあんなに最低なのに.....。」





私は気がつくと涙を溢していた。
止めたいのに気持ちとは裏腹にどんどんと出てきちゃうんだ、嫌だねーこういうのは。我ながら昼ドラみたいなことしてる。



「.....しょうもないこと考えるの止めて、さっさと帰ろっと」


高校生が昼ドラってどうなのよ、って思ってるとなんか段々馬鹿らしくなっちゃってアタシはそのまま学校を後にした。
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