*甘いモノ*
「.....ふぅ....。」
一時の安らぎを楽しむべく、声を上げる。
何も考えずにいきなりお湯につかると肩からほぐされる感じがする。
こういう時ってお風呂で寝ちゃいそうになるんだ、この前なんか夜の2時まで寝ちゃっててたまたま速く帰ってきたお母さんに起こされてビックリしたんだよねー
私は上を向いて目を閉じた。
瞼の上で最初に浮かんだのは、何故か幼馴染みの亜樹のことだった。
隣に歩いている女の子がちらほら変わってたりもしたから女の子に不自由はしてないのだろう。
そんでもって家が隣同士なモンだからイチャついてる声なんかも丸ぎこえ、
その度に私はげんなりする。
お前、それは嫌味か?私が彼氏いない時にかぎって聞こえるのは嫌味なのか!?
とまくらを顔に当てて叫んだことがある。
それも聞こえないんだから結局はむなしくなったんだけど..
「はぁ、亜樹が羨ましいな.......周りに人がいて。」
表面上では皮肉めいているけど、本当はちゃっと羨ましくも思っちゃうんだよね。
「.....あたし、亜樹になってみたいかも」
ド○○もんみたいな閃き方でそう呟いた
楽しそうだなー、女の子ちやほやできるんだもんねー!みたいなさっきまでのネガティブ梓はどこへいったんでしょうね。
そんな上機嫌で梓はお風呂を過ごした