男の愛した女



「なにも知らないで、無事でよかったとよく言えるもんだな」


「どう、いう…意味ですか」


「俺が火ぃつけたんだよ」


「どうしてそんなことを…」


「壊れればいいんだよなにもかも……俺も、お前も、江戸も、なにもかも全部……全部全部全部、まとめて燃え尽きてしまえばいいんだ!!」





言葉の最後は悲痛な叫び声になっていました





男は力尽きたのかその場に崩れ落ち何事かを呟いているようでした

< 12 / 27 >

この作品をシェア

pagetop