イケメン差し上げます
「お昼は、何でそう返事くれなかったの?」
わかんない振りをして
はぐらかした。
それはどうして?
「多分、付き合うとかそういう以前に
二人で馬鹿やる生活が
楽しかったんだろうな」
「なら、何で急に」
告白の返事をしようと思ったの?
「……それは、すごく長くなるよ」
彼の言葉遣いが穏やかになる時は
へこんでいる時や思いつめている時と決まっているの。
だからこれは不器用な彼なりの
────SOS
聞かなければいけないと思った。
聞かないと、彼は崩れてしまう、と。
「教えて、慧也のこと」
あたしが近くに座り込み
少し笑えば、ゆっくりと口を開き語り始めた。