イケメン差し上げます



「じゃあ俺らも帰るか」



そう言って由美とまどかはそれぞれ男の人に連れて行かれた。





でもまだ床にひざまずいている龍さん。




「龍、俺らも帰ろうか」


「きっといいことありますよ」




すると


「……じゃあ山下さんでいいや。

ちょっと愛想が足りないけど我慢する」




ふざけんな!






「山下、彼氏いるから。

はい、龍残念」



何だか少し嬉しそうな早瀬さん。



「じゃ、俺らも帰るか。

山下、乗ってく?

あ、龍もいるけど」




落ち込んでいる龍さんと

それを面白がってる早瀬さん。


3人で車に乗り込む。



運転席が早瀬さん

助手席が龍さん


そして後ろにあたしだった。



その席順にも、早瀬さんは気を遣ってくれたみたいで

いい人だなと思った。





「じゃあね」



お互いに付き合ってる人がいるわけだから


連絡先を交換するわけでもない。




ただ一人で帰るのは危ないからと


送ってくれて



そのまま、別れた。









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