イケメン差し上げます
情けない気持ち
「……ただいま」
「おかえり」
でも気にしていたのはあたしだけで
慧也はいつもと何一つ変わらなかった。
「早く、飯。
もう腹減ったんだけど」
「……うん」
咲は郁弥さんに合コン先に迎えに来てもらえて。
少しだけ羨ましかった。
あたしのことは、まだ好きではないってちゃんとわかってるつもりだったんだけど
どこか寂しさを感じてしまって。
何だか居た堪れない気持ちになる。
慧也は好きでもない奴といつまでも一緒に暮らしていいのかな
とか
あたしのこと、召使いぐらいに思ってるのかな
とか、いろんなことが頭をよぎる。