イケメン差し上げます
父親よりも、少し若めの女だった。
若かったけど、意外としっかりしてて。
三人で弁当持って公園に行ったり
遊園地に行ったり。
何もかもが初めてで、いつもは物静かな俺だったけど
あまりにも楽しくて、はしゃいだのを今でも覚えている。
生みの親だけが
自分の母親だと思い込んで
母さんと打ち解けようと
しなかったのが
馬鹿みたいに思えて
だんだんと心を許していた。
やっと「お母さん」って
呼べた頃だった。
そんな時─────
「お母さん」は妊娠した。