イケメン差し上げます
ピンポーン
と咲の家のインターホンが鳴るが、そんなの気にしてられない。
咲の家に居候して、もうすぐ一週間。
あたしの涙は流れに流れているのに、枯れることは無かった。
あたしが
変な態度とってごめんね
って謝れば、慧也はきっと許してくれるだろう。
でも、他の子を想う慧也なんて
辛すぎるから見れないの。
そして、また一日、一日と咲の家で時間を過ごす。
時間が過ぎれば過ぎるだけ、帰りにくくなるだけなのに
きっかけの掴めないあたしは
いつまでもここにいた。