イケメン差し上げます




気まずい。


一週間ぶりの慧也は、やっぱりかっこ良くて目が合わせられない。




沈黙は辛いから、

とりあえず心配もかけたし


〝ごめんなさい〟って


言おうと思ったのに。






「ご、ご無沙汰です」




何で?

ってか誰?




本当、訳がわからない。

何よ、ご無沙汰って。



絶対、変な奴だと思われた


そう感じて下を向いてると




「ご、ご無沙汰です」


とあからさまに馬鹿にした態度で言って、腹を抱えて笑ってる。




「何で笑うのよ!ちょっと間違えちゃっただけじゃない!」



「キーキーうっせぇな。

何?それで起きてんの?目空いてねぇぞ」


「黙れ黙れー」



気がつけば、怖いくらい普段の会話。



気まずさなんて、欠片もない。



そして、泣きじゃくって腫れてしまった目を馬鹿にされる。




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