イケメン差し上げます
8時を過ぎてようやく起きて来た彼。
「おはようございます」
「は?」
……相変わらず口が悪いし、愛想もないし最悪。
こんな奴と一晩過ごしてしまったと思うと吐き気がする。
「起きたなら出てけよ」
あいにくですが
「出て行ける家が無いんです」
あたしがにこりと笑ってみると
「俺バイトだから。帰って来てもいるようなら殺す」
ドスの聞いた声でそう答えられてしまう。
「あの、昨日はあなたがいれてくれたんですか?部屋に」
謎の殺人予告は敢えてスルーして、正直気になっていたことを聞いてみる。
「……自分の家の前で寝られても近所迷惑なんだよ」
なあんだ。少しだけ、ほんの少しだけど良いところあるじゃない。
そう思った矢先