イケメン差し上げます
……何でこんなことになってるんだろう。
店員と客。
そして今では詐欺の被害者と加害者だと言うのに!
どうして二人でリビングで茶なんて沸かしてる?
「話って何ですか?」
出来る限り話を早く終わらせないと。
もしあの彼が帰って来たりなんかしてしまったら、あたしに命はない。
そんな危機感があるあたしとは裏腹に、どうしてこの男は!
くつろぎ出しているんだ!!
「だから、話……」
「あ、そうそう。
美優ちゃん、うちの本屋で働かない?」
は?
「あなた、自分の立場わかってます?」
「美優ちゃんもわかってる?」
……あたしはわかってますよ。
「家なし、就職なし、男なしだよね、あー可哀想」
……殴っていいですか、この男