イケメン差し上げます







……何でこんなことになってるんだろう。




店員と客。



そして今では詐欺の被害者と加害者だと言うのに!



どうして二人でリビングで茶なんて沸かしてる?





「話って何ですか?」



出来る限り話を早く終わらせないと。


もしあの彼が帰って来たりなんかしてしまったら、あたしに命はない。




そんな危機感があるあたしとは裏腹に、どうしてこの男は!




くつろぎ出しているんだ!!




「だから、話……」





「あ、そうそう。

美優ちゃん、うちの本屋で働かない?」





は?



「あなた、自分の立場わかってます?」



「美優ちゃんもわかってる?」



……あたしはわかってますよ。




「家なし、就職なし、男なしだよね、あー可哀想」




……殴っていいですか、この男







< 37 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop