文字の絆 ~letterfriend~
入学式
「……奈々。ごめんね。ごめんね…」
まただ。もうこんな夢見たくない。どうして謝ってるの?私に何かしたの?何かされた覚えなんてないよ……お母さん。
「お母さん。謝らないで。私は大丈夫だから…」
何回この夢を見て何回このやりとりをしただろうか。もう、自分を責めないでよ。
「奈々……、あのね…」
ジリリリリりりりりリリリッ
「はぁ。またここで終わりか…。」
いつも、お母さんの言葉の途中で目覚ましが鳴る。それか、勝手に目が覚める。最初の頃は続きが知りたくてもう一度寝たりしてたけど、もう半年もこんなこと続ければ知りたい気持ちも無くなってく。
「お母さん……おはよ…」