蝶々、ひらり。
「……大輔、私」
下着姿になった彼女がようやく小さな声を出した。
唇から紡がれるはずだったのは、恥じらいだったのか抵抗の声だったのか。
頼りなげな声音に恐れを感じた俺は、最後まで聞く前に彼女の唇を塞いで封じ込む。
そしてそのまま、敷きっぱなしになっていた布団へと押し倒した。
彼女は体をこわばらせた。
俺の手が体の上を滑りだすと、小さなうめきが漏れる。
何度もキスを繰り返していると、やがて彼女は覚悟を決めたように目を閉じ、
俺は押さえきれない感情を、彼女の肌にぶつけることをやめれなかった。
拒絶された訳ではなかった。
けれども同意してくれた訳でもない。
そんな状況で、
……俺は彼女を抱いた。