オレンジ色の教室でキミと
「相原って、字うまいな」
えっ…?一瞬、私の手が止まった。
今、永瀬くん…私の字を見て、褒めてくれたの?どうしよう、嬉しい。
「習字とかやってたりした?」
「うん。中学生になるまでずっと、近所の書道教室に通ってたんだ」
「へぇ、そうなんだ」
今日の日直の仕事が終わったら、こんなふうに永瀬くんと話したりすることもなくなるのかなぁ。
お互い同じクラスでも、今までほとんど話さなかったし。
そう考えると、なんだかちょっぴり寂しい気持ちになってしまった。
永瀬くんのことで嬉しくなったり、悲しくなったり…。私をこんなふうにさせるのは、永瀬くんだけだね。