オレンジ色の教室でキミと
見られた、と思ったときにはもう遅かった。
なんで書いたあと、すぐに消しゴムで消さなかったんだろう。
どうして…日本史のノートに【永瀬くんが好き】って書いたことを忘れて、ノートを永瀬くんに渡しちゃったんだろう。
永瀬くんは他に好きな人がいるから、永瀬くん本人にだけは、私が永瀬くんに恋していることを知られたくなかったのに…。
「相原。ここに書いてあることって…本当?」
今さら否定なんてできないし…。
私は、永瀬くんと顔を合わせるのがなんとなく気まずくて、俯いたままコクリと素直に頷いた。
まさか、こんな形で永瀬くんに自分の想いを知られてしまうなんて…思ってもみなかった。