大好きな君へ

あたしは、とっさにフェンスに歩き出していた。
誰も来ないで…誰もあたしに関わらないで…。

その時、携帯が鳴った。
携帯を開くと、春だった。
あたしは恐る恐る、電話に出た。

「美夕夏?あれ…何?」

あたしは、黙って泣いていた。

『春…もう…』

その時誰かが、屋上に走ってきた。

「美夕夏!」

そこには聖斗がいて、あたしはとっさに、聖斗の名前を粒やいてしまった。
その言葉を出した瞬間、

「美夕夏…後で、家に来て…」

春はそういうと、一方的に切った。
あたしは切られた携帯を見つめて、すぐにあたしは携帯をしまった。
真っ白になった頭の中。また、あたしはフェンスに歩きだした。

「美夕夏!」

聖斗が近づいてきた。

――来ないで…

『来ないで!!』

あたしが叫んだ瞬間に、加奈枝が来た。加奈枝はあたしの姿を見るなり、泣きながら何かを言っている。
そんな言葉は、今のあたしには通用しない。
だって…生きるのが、辛いよ。
明日香には、強くなれたって言った。だけど、またあたしは弱くなってるの…明日香ごめん。あたしは、やっぱり甘えてばかりで、強くなってはいなかったんだ。



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