大好きな君へ
一瞬、夢を見ているようで…一瞬、幻を見てるようで、視界が涙で曇った。
『…………ホントニ?』
あたしは泣きながらだったから、弱弱しい声で言った。そんなあたしに、笑って聖斗は
「当たり前♪」
そう言ってくれた。もうそれからは、あたしの涙腺は切れてしまって、泣くことしか出来なかった。
だけどその涙は、悲しいとか辛いとか苦しいとかじゃなくて、嬉しくて愛しくて幸せな涙だった。
聖斗はあたしの頭をグシャグシャに撫でて、抱きしめてくれていた。
あたし本当に幸せだよ。聖斗の気持ちとあたしの気持ちが…【また】一緒になれて。また?違う。二人の気持ちは、離れてはいなかった、その代わりに遠回りしてただけだったんだ。
その時、
「美夕夏!!ニヒ〜ぃ」
それは、加奈枝だった。聖斗はびっくりして…そして照れながら、あたしを放した。
「いつからいたんだよ!」
聖斗は、恥ずかしそうに加奈枝に言った。
加奈枝は相変わらず、笑顔のままで
「さぁ〜?いつからだろうねッ♪」
そして加奈枝はあたしの耳元で、
「美夕夏は聖斗くんじゃなきゃね」
加奈枝はそう言ってまた、笑った。そんな加奈枝の言葉にあたしは顔を真っ赤にして、頷いた。