大好きな君へ
新しい命を授かった事は、聖斗にも言わなきゃいけない。
聖斗とあたしの間にできた子だから…
でも、いざとなったら言い憎くて、あれから何日もすぎていった。
すぎていけばいくほど、つわりがきてしまって、だんだんと言わなきゃいけない日が近づいてくる。
だけど…聖斗はそんなあたしの、異変に気がつき始めていた。
「美夕夏?俺に言わなきゃいけない事、あるんじゃねぇの?」
『えっ?………』
バレてたんだ。ちょっとは、気づいてたけど…。
「俺?彼氏だよな?」
『うん。』
あたしは、いう決心をして…大きく深呼吸をした。
『聖斗…聞いてね。』
あたしは、お腹を見て…
『赤ちゃんできた』
聖斗は驚いていて、何も言わない。きっと聖斗は、お父さんにはなってくれない。こんなに、動揺してるくらいだから…
ねぇ?聖斗、ダメかな?
『あたしは…反対されても生むよ。聖斗がお父さんにならなくても、あたしがお母さんとお父さん代わりになるから…』
「誰も反対なんかしてねぇじゃん。俺がこの子の、親父になるし。」
――えっ?今…親父になるって…
『本当!?』
聖斗は笑いながら、あたしの頭を撫でながら、ギュッ抱きしめてくれた。