大好きな君へ

「俺の子だしさ♪」


ありがとう…。あたしは、嬉し涙が流れてた。
そしてあたし達は、二人の親に会うことになった。

新しい命ができたことは、あたし達は【親】になるってこと。まずは、自分たちの親に認めてもらうことが、先だった。

学校が終わるとすぐに、聖斗の家に行った。
あたしは、今まで聖斗の親に会ったことがなかった。聖斗の家に行っても、声は聞こえるけど、顔は見たことがなくて、行く前から緊張していた。

『大丈夫かな?』

あたしは不安になっていて、聖斗は笑いながら

「ダメだとしても、いいって言われるまで、説得するから」

親になるって、こんなに難しいことなんだね。あたしは、初めて親が強くなる意味がわかったような気がした。

そして、聖斗の家に入って、いつもは入らない部屋に入った。
あたしはそれについて行くだけで、精一杯だった。

「なぁ?話があるんだけど、いい。」

そういうと、聖斗のお母さんがあたしを見て、ニコッて笑った。
いかにも、その笑顔は聖斗にそっくりだった。

「彼女さん?立ってないで、座ったら」

またそう言って、笑うお母さん。


< 153 / 201 >

この作品をシェア

pagetop