大好きな君へ

「親父は?」

そう聖斗がいうと、

「久々に話があるって、彼女ができたってことか?」

そう言いながら、聖斗のお父さんはあたしを見た。

今から、聖斗の両親に新しい命が出来たこと…認めてもらいます。

「赤ちゃんがいるんだ」

その瞬間、聖斗の親はびっくりしていた。それは分かっていたことで、

「こいつと赤ちゃんで暮らしたいんだ」

親がびっくりしてるのに、どんどん話をしていく聖斗は、すごくいつも以上に必死だった。

「どうやって育てるの?」

お母さんが聞くと、聖斗は決心したかのように、

「働く。それに、結婚してぇし」

軽く簡単に、恥ずかしいことを言った聖斗。
お父さんはあたしを見て、

「この子なら、安心だな」

そう言ってくれた。

「じゃあ、いいのか?」

聖斗の目は輝いていて、あとはお母さんだけだった。
お母さんは笑顔で…頷いてくれた。
あたしは、すごく今幸せで、涙がまた溢れた。

『ありがとうございます…』

そんなあたしを見て、お母さんがあたしのそばに来て、

「こんな、バスケしかないような男だったけど、お父さんと似て有言実行のところがあるから、頼ってあげてね」

優しい聖斗のお母さん。



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