大好きな君へ
幸せだった。
新しい命がきっと、最後のあたし達の愛を深めてくれたから。
聖斗とあたしは、二人の実家に近いアパートを借りて住み始めた。
二人にはまだ、大きい部屋。だけど、そのうちに三人になる、部屋はどうなのか?って今か今かと待ち望んでいる。
だけど一番は、聖斗。だって毎日のように
「女かなぁ?男かなぁ?」
なんて聞いてくるんだから。聖斗はお父さんになる気満々。あたしも、お母さんになる気満々だけど。
『分からないよ。まだ2,3ヶ月くらいなんだから(笑)ほら行くよ!遅刻しちゃうもん』
あたしと聖斗はまだ、学校に行っていた。
バレないように、加奈枝にも誰にも言わないでいた。
周りは同棲してることくらいしか、知らない。
別に話す必要もないでしょ?
そんな甘い考えをしていた、あたし。