大好きな君へ

治まった時に、加奈枝はあたしを心配しながら、不安そうな顔であたしと聖斗を見ている。

言わなきゃね…加奈枝には。

「聖斗君?美夕夏?あたしに何か隠してるでしょ?」

ほらね。分かっちゃうんだもん。加奈枝には…

『隠してるつもりはなかったんだけど…言い難くて…。あたしね。』

言い難くそうなあたしを見て、聖斗は

「赤ちゃんがいるんだよ」

加奈枝はとまった。誰だって、高校生が妊娠してる、なんて聞いたら動揺するのは、当たり前。あたしだって、そうだったから…。

『加奈枝…』

加奈枝の目からは…涙が流れていた。

「美夕夏…おめでとう」

そういって、あたしを抱きしめる加奈枝。
加奈枝は認めてくれた。
親友ってすごく、温かいんだね。

『ありがとう…。でも秘密にして。お願い』

あたしは加奈枝に言うと

「当たり前☆」

って言ってくれた。
親友って…秘密事はなしなんだね。
秘密事をすれば、いつかきっと別々になってしまうかもしれない。だけど、加奈枝は違っていた。
加奈枝…ありがとう。

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