大好きな君へ
聖斗は…聖斗じゃないって事。
あたしは、少したってから夕聖を連れて、聖斗がいる病院に行った。
『お母…さ…ん……』
そういうと、お母さんはあたし達を聖斗がいる部屋に連れて行ってくれた。
――嘘…
って思いたくてしかたなかった。
「ここよ…」
お母さんは、夕聖を抱きかかえるとあたしは…聖斗がいる部屋に入った。
聖斗…。やっぱり聖斗は、そこにいて現実だって。
『聖斗…聖斗!!!起きてよ!ねぇ!あたし騙したってつまらないよ!!起きてよ!演技下手だよ!!バカじゃないの!?ねぇ!!!』
あたしは、寝ている聖斗を何度も何度も揺さぶった。
『!まだ、夫婦になって1日しかたってないんだよ!夕聖だってまだ、一歳にもなってないんだよ!!起きてよ!!!』
あたしは、床に座りこんだ。
『嘘……だよ……植物‥人間なんて…』
聖斗、酷いよ。あたし、どうしたらいいか分からないじゃん。
夕聖はどうしたらいいの?
聖斗がいなきゃ、目を覚まさないとあたし分からないよ。
あたしは、その場にその日はいた。ずっと…ずっと…起きるのを待って。どこかで聖斗が、起きるような…気がして。
あたしは、泣き疲れて眠ってしまった。
「美夕夏…」
――聖斗…?