大好きな君へ
その間にあたしは、最後の思い出の場所に歩いた。
――最後に…
それはいつもの公園。
自販機、ベンチ。いつもの風景…聖斗との思い出の場所。
そして、ベンチに座った。
【バスケは楽しいよ】
そう言って、いつもバスケの話をしてくれていた。
【俺…美夕夏の事…好き】あたしが気持ちを言おうとした時、聖斗が先に言ってきた言葉。
【ゴメン】
あたしの事を考えて、別れを告げたときの一言…
たくさんの、思い出がたくさんつまっているこの公園。たくさんの喜び・悲しみが溢れている場所。
そんな場所に来ると、涙が溢れてくるよ…。
思い出すと、バイバイなんて言いたくないって、思っちゃうけど…。
今、聖斗は最後に友達といる。
だから…最後の約束守るよ。
あたしは、ベンチから立ち上がり、涙を拭うと、自販機でいつものジュースを買って、病院に向かった。