大好きな君へ

その間にあたしは、最後の思い出の場所に歩いた。

――最後に…

それはいつもの公園。
自販機、ベンチ。いつもの風景…聖斗との思い出の場所。

そして、ベンチに座った。

【バスケは楽しいよ】
そう言って、いつもバスケの話をしてくれていた。


【俺…美夕夏の事…好き】あたしが気持ちを言おうとした時、聖斗が先に言ってきた言葉。

【ゴメン】
あたしの事を考えて、別れを告げたときの一言…

たくさんの、思い出がたくさんつまっているこの公園。たくさんの喜び・悲しみが溢れている場所。

そんな場所に来ると、涙が溢れてくるよ…。
思い出すと、バイバイなんて言いたくないって、思っちゃうけど…。
今、聖斗は最後に友達といる。
だから…最後の約束守るよ。

あたしは、ベンチから立ち上がり、涙を拭うと、自販機でいつものジュースを買って、病院に向かった。

< 179 / 201 >

この作品をシェア

pagetop