大好きな君へ

あれからあたしは、バスケ部の練習を見に行かなくなった。

聖斗には、嘘をついて[親の手伝い]とか言って、毎日一人でフラフラとさまよってる。

それからは、教室で聖斗が喋ってくるたんびに、あたしは葉月からの暴力があった。

別にもうよくなってきてて、そんな時には屋上に来た。加奈枝には、いつも『大丈夫』とだけ言って、あたしは最近では【死】を考え始めていた。

――怖くないのかな…死ぬって。

あたしは、屋上に来てフェンス越しに、いつもそう思っている。

飛ぶって…楽になれる?

ガチャ――

誰かが来た。あたしが振り返ると、葉月がいた。

「あれぇ〜?死ぬ気ですか?(笑)」

「マヂでぇー」

「バカみたい(笑)」

葉月が喋りだすと、周りも喋りだす。ウザイ人間。

『死ぬ訳ないじゃん』

あたしは、葉月の横を通る時、呟いた。

「はぁ?」

葉月が大声で言った。
怖いはずなのに、言葉では強くみせる。

あんなにあの時、泣いたはずなのに…
聖斗を思う気持ちだけで、あたしは勝手に強くなってる。

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