大好きな君へ
ガンッ
あたしは、フェンスに押された。
『イッタ』
「死ぬ訳ないじゃん?あたしがじゃあ、殺してあげようか?」
殺してくれる?無理に決まってんじゃん。
アンタがあたしを、殺せるなら前にも殺せたはず。
『やってみなよ(笑)』
絶対にアンタには出来ない。聖斗が好きなら、普通は出来ない。
『聖斗が好きなら、「うるせぇー」
あたしの言葉が消されて、葉月の手があたしの目の前に来た。
あたしはとっさに、目を瞑った。
…………………。
――あれ?来ない
目を開けると、加奈枝がいた。
「葉月さん、この写真…」
状況が掴めないあたし。
「何あんた?この泥棒猫の友達だっけ?」
加奈枝は笑って、
「この写真、聖斗君に見せていいですか?」
加奈枝が持っている写真。それは、葉月があたしを殴ろうとしてる、写真。
「何これ!?」
葉月は動揺している。
「返してよ!こんな事して楽しいのかよ!!」
「楽しいよ★」
加奈枝のこんな悪魔な顔を見たのは…初めて…。
「分かったよ…やめればいいんだろ…だから、切れよ」
加奈枝はあたしを見てくる。