大好きな君へ
それた道
周りを見れば、あたしとタメくらいの人がたくさんいた。
男に女。
そして誰かがあたしに、喋りかけてきた。
「ねぇ?」
あたしが振り返ると、そこにいたのは…ギャルなんだけど凄く綺麗な女の人だった。
「高校生?」
『……ハイ』
あたしは、不思議に思いながらも、答えた。
「あたしと一緒だね(笑)」
『……………えっ?』
この人もあたしと同じ高校生?あたしと違って大人っぽかった。
「怖がらないでよ☆あっ!急に話しかけたら怖いよね?それに名前も言ってないし。あたしの名前は、明日香」
無邪気な顔からは、高校生って感じがした。
『あたしは…美夕夏』
「美夕夏?可愛い名前だね★」
『???????』
あたしの頭には、いくつものハテナがでていた。
「その前に、その格好でいたら察に捕まるよ」
――その格好?
『あっ…』
言われてみれば、あたしは制服のまま来てしまった。
「アハハハ☆」
明日香が笑った。あたしも、明日香につられて笑っていた。
「美夕夏、笑うと可愛いじゃん☆」
あたしは下にうつ向いて、照れていた。
これが、あたしを大きく、そして…遠回りをさせた。