大好きな君へ
「美夕夏、変わったね。昨日の美夕夏と…」
『そう?』
分かってる。明日香と出会って、変わらなくちゃ生きていけない事に、あたしは気付いたんだから。
「昔の美夕夏ならあんな事しなかったでしょ?」
『それは…』
「あたしは昔の美夕夏が好き。聖斗だって…『聖斗はもういい』
あたしは、加奈枝の話しを割り込んで、加奈枝の顔をみた。
「美夕夏?」
『あたし気付いたの、昨日。繁華街に行って、あたしと同じ人を見つけたの。あたしと同じで…逃げ道を知らなくて、あたしもあの人と同じように…なりたいの。加奈枝と、聖斗は、あたしと気持ちが違うの。最初は、葉月に負けたくない一身で、我慢してた。だけど、無理なの…今日だって、聖斗に嫌われたし…もうあたしは…変りたいの』
ねぇ?これを聞いても、加奈枝は昔のあたしになれって言うの?
たぶんこの気持ち、きっとあたしの本当の気持ちなの。
「美夕夏と同じ人?あたしは、美夕夏を守るって言っても、美夕夏は違う世界の人といるの?あたしは、そんな簡単に美夕夏が変わるなんて思ってなかった。」
そういうと加奈枝は、一人でどこかへ行ってしまった。
【違うの世界】って…明日香は違う世界の人なんかじゃないよ。あたしと同じ、気持ちの人だよ