大好きな君へ
そして、バスケ部が終わった。
「美夕夏」
あたしを呼ぶ声。あたしは分かっているんだ、聖斗だって…
『何?』
顔は普通なのに、胸がドキドキしてやばい。
「佐仲は帰ったの?」
佐仲…それは加奈枝。
『あっうん』
「そっか。じゃあお前一人?」
『うん…』
聖斗の答えに全て、『うん』だけで答えた。だって、意識しちゃって…
ドキドキが止まらなくて、あまりきちんと喋れなかっから。
「じゃあ一緒に帰るか?着替えてくるから、待ってろ」
――えっ?今「一緒に帰るか」って言った?
一方的に、そう言うと聖斗は部室に、戻っていった。
今からあたしは、聖斗と二人で帰るの?
これって夢?それとも…現実?
そんな事を考えていくうちに、時間が過ぎていく。