大好きな君へ
明日香を一人にできなかった。あの苦しみ、一人になる苦しみはあたしは、知ってる。
だから、明日香から離れてしまうのは…できなかった。
「美夕夏は知らないだけ…薬がどんなに怖いか。美夕夏はあたしの親友だから…だから…」
明日香は泣いた。泣きながら、薬の怖さをひたすら話してくれた。
「休みの日には来ていいから…だから、家に帰って、学校に行って…」
明日香の必死に言う姿を見るのは、苦しかった。
だけど、明日香はあたしがいる時きっとずっと、ヒヤヒヤして薬をしていた。
それを考えると、止めなきゃいけないのに…あたしは止められなかった。
そしてあたしは、家に帰ることに決めた。
明日香…あたし、親友だよね?
そしてこれだけが、薬の怖さじゃない事はこの時あたしは知らなかった。