大好きな君へ
校門の前。
あたしは、加奈枝と聖斗の顔が浮かんだ。
あの日あたしは、加奈枝を裏切って…あたしは、聖斗を見くびった。
そんなあたしがまた、学校に来てしまった。
あたしは、玄関に行き…教室に向かった。
心臓の音が聞こえるくらい、怖かった。
あたしが…教室に入いると。
中に入ると、一気に教室は静まりかえった。
――やっぱり…来なければ
あたしは、この空気にたえれなかった。帰ろうとした時、
「美夕夏!!!」
あたしを呼ぶ声。それは、加奈枝…だった…。
前と変わらずに、あたしの名前を呼ぶ加奈枝。
あたしは黙る事しかできなかった。あんな酷い事して、あたしは加奈枝にどう接したらいいかわからなかった。
「どうしたの?この空気」
次に男の声。それを聞くとあたしは、自分が醜いほど…あの時のあたしが、バカみたいに思った。
「美夕夏が来たんだよ!聖斗君★」
聖斗…。その言葉は、あたしを安らぎと怖さに変えた。
「まじかよ!すげぇじゃん☆美夕夏」
あたしの名前を呼ぶ二人。なんであたしは、こんな優しい二人を裏切ったんだろう…
『ゴメン…』
あたしは、涙を流しながらそれしか、言えなかった。