大好きな君へ
自販機の前に来ると、あたしはいつものジュースを買った。
『はい』
あたしは、聖斗にジュースを渡した。
「おう♪ThankYou」
あたしは、すぐ近くのベンチに座ると昔話をして盛り上がった。
『あぁ…このままじゃ、聖斗におごり続けるんだ…嫌だなぁ』
「俺は、美夕夏に一生おごってもらうし」
『えぇなんで!嫌だから』
こんな話しばかりするあたし達。
でもあたしの気持ちは、いつまでたっても聖斗には、伝わらないまんま。
ねぇ?聖斗…
「なぁ?美夕夏…お前さぁ…すごいよな。」
急に聖斗にあたしに、いつもと違う真顔で言った。そんな事は初めてだった。
『あたしの何がすごいの?』
あたしは、聖斗が言った「すごい」の意味が理解できなくて、それに聖斗にそんな言葉一度も言われた事がなかったから…
「あんなに辛い思いしてたくせに、今は笑ってるじゃん。俺だったらいじめられてたら、あんな事だけじゃすませねぇし…それに、親友が薬をやってんのに…ずっと一緒にいたいって思えねえ。そんなお前見てると、勇気が出て笑ってられる」