大好きな君へ

自販機の前に来ると、あたしはいつものジュースを買った。

『はい』

あたしは、聖斗にジュースを渡した。

「おう♪ThankYou」

あたしは、すぐ近くのベンチに座ると昔話をして盛り上がった。

『あぁ…このままじゃ、聖斗におごり続けるんだ…嫌だなぁ』

「俺は、美夕夏に一生おごってもらうし」

『えぇなんで!嫌だから』

こんな話しばかりするあたし達。

でもあたしの気持ちは、いつまでたっても聖斗には、伝わらないまんま。

ねぇ?聖斗…

「なぁ?美夕夏…お前さぁ…すごいよな。」

急に聖斗にあたしに、いつもと違う真顔で言った。そんな事は初めてだった。

『あたしの何がすごいの?』

あたしは、聖斗が言った「すごい」の意味が理解できなくて、それに聖斗にそんな言葉一度も言われた事がなかったから…

「あんなに辛い思いしてたくせに、今は笑ってるじゃん。俺だったらいじめられてたら、あんな事だけじゃすませねぇし…それに、親友が薬をやってんのに…ずっと一緒にいたいって思えねえ。そんなお前見てると、勇気が出て笑ってられる」
< 74 / 201 >

この作品をシェア

pagetop