大好きな君へ
「美夕夏〜ケーキ食べたい」
部屋から聞こえる、加奈枝の声。あたしと聖斗は部屋に戻った。
「美夕夏が作ったケーキ♪聖斗早く持ってきてよ!」
そう加奈枝が言うと、聖斗はケーキを取りに部屋から出ていった。
加奈枝が考えてる事くらい、分かってる。余計な事だという事くらい。
「告ったの!?」
『まだ』
そういうと二人は、ため息をついて、あたしを見てくる。
――しょうがないじゃん!
『ってか、二人がずっとラヴラヴしてたんじゃん』
そう言ってると、聖斗はすぐに戻ってきた。
「何もめてんだよ(笑)」
そう言ってあたしが持ってきた、ケーキの箱を開けた。
「旨そうじゃん!お前ってこんなの作れんのかよ!」
「いいお嫁さんになるんじゃないの?」
「美夕夏は、天才だもんねぇ☆」
『当たり前(笑)』
そんなバカげた話をしながら、廉がケーキを切った。
「廉下手くそ!」
また始まった、バカップルのショータイム。
切ったあとのケーキは、無惨にもぐちゃぐちゃ。
『「あーぁ」』
みんなからの冷たい言い方に、廉は落ち込みながらも先に廉がケーキを一口食べた。